2020.01.28

寒い冬は、神経痛に御用心!

皆さまこんにちは😃
院長の齊藤です。

2020年オリンピックイヤー❗️
新年が明けてから、早いもので約一ヶ月が過ぎました。

2月に入ったというのにこの暖かさ。去年もそうでしたが今年も厳寒の日は本当に少ないですよね?今のところほとんど積雪もないし過ごしやすい冬を迎えています。

そう、積雪と言ったら雪掻きは必須です。
早朝のこの作業が一仕事なもんで、結構腰にガツンときますよね。
しかも氷点下だったりするので、腰への負担と冷えによって坐骨神経痛なんかになってしまう方も少なくないでしょう。

私も過去に経験があるのですが、あの神経の痛みってなかなか取れないし慢性化し易く本当に苦痛なものです💦

と言う事で、
今回のブログ内容は、我々の臨床の場でも症例の多い《神経痛》について、原因や対処法など説明していこうと思います。

「神経痛らしくて、どうも太ももの裏がしびれる。」「もしかして坐骨神経痛かも…?」なんて、私達はあたかも病名のように《神経痛》という言葉をよく使ったりします。

実は神経痛と言うのは病名ではなく症状を表すもので、大抵その多くは痛みを引き起こす原因の病気が潜んでいます。原因や対処法を理解して、痛みが悪化しないうちに早めに対処する必要があります。

⑴ 「神経痛」とは、原因となる病気が引き起こす症状の事。
⑵ 主な症候性(原因が明らか)の神経痛は坐骨・肋間・三叉神経痛
⑶ 原因不明の特発性神経痛について

「神経痛」とは、原因となる病気が引き起こす症状の事。

神経痛とは名前の通り、全身に張り巡らせている「神経系」と大きくかかわっています。先ずはその神経系について充分に理解した上で、よくある代表的な神経痛について説明していきましょう。

⚫︎ 末梢神経(まっしょうしんけい)とは、感覚や運動を伝える連絡網

神経系とは身体のあらゆる情報伝達を行う組織であり、「中枢神経」と「末梢神経」の2つに分類されます。

中枢神経とは「脳」と背骨の中を通ってる「脊髄」で構成されており、この中枢神経から、内臓や全身の皮膚、そして手足の末端までと体全体の隅々まで、網目の様に張り巡らされた神経が「末梢神経」です。

さらに末梢神経には、臓器の働きを調整したり、血圧・体温などの調節を司る【自律神経】全身の筋肉を動かす【運動神経】感触や痛みなどを伝える【感覚神経】の3っつの神経があります。末梢神経である感覚神経を通して中枢神経に情報を送ったり、逆に中枢神経から情報を受け取ったりして、身体の様々な機能や運動をさせる役割をしています。

⚫︎ 様々な原因により末梢神経が刺激を受けて発生する痛み。

末梢神経のうちの感覚神経が、なんらかの原因で刺激を受けてしまい、その刺激を受けた末梢神経の経路に沿って発生する痛みを一般的に「神経痛」と呼びます。刺激を受けた感覚神経が痛みをキャッチして中枢神経に伝達し、「痛い!」或いは「しびれる!」といった症状が発作的、または繰り返して現れます。

神経痛には、大きく分けて2つの種類があります。

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで、神経を圧迫する事によって起こる坐骨神経痛や、ヘルペスウイルス感染による帯状疱疹(たいじょうほうしん)の後遺症で起こる肋間神経痛など、原因がはっきりしているものを「症候性神経痛」と呼びます。

一方、原因不明で生じる神経痛を「特発性神経痛」と呼び、肋間神経痛もそうですが特に三叉神経痛は、原因疾患がはっきりしている症候性と、原因がわからない特発性の2通りが存在します。

⚫︎ 主な症候性神経痛は、坐骨・肋間・三叉(さんさ)痛

神経痛は痛みが生じる場所によって名前がつけられ、発生頻度の高い主な神経痛は次にあげる3つの神経痛になります。

⑴ 坐骨神経痛 : 臀部〜太ももの主に後側、ふくらはぎやスネに痛みが走る。
⑵ 肋間神経痛 : 背中・側胸部・胸にかけて痛みが走る。主に片側。
⑶ 三叉神経痛 : 顔面の片方に痛みが出る。主に顔半分から下側が好発しやすい。

これら代表的な神経痛に加え、ヘルペスウイルスが発生原因となる「帯状疱疹後神経痛」の4つについて説明していきます。

【坐骨神経痛】

神経痛の代表格とも言える「坐骨神経痛」
発症部位は、臀部から太ももの後面、下腿部にかけての坐骨神経の通り道。左右どちらか片側だけに症状が出る場合がほとんどです。

鋭く電気が走ったような痛み「ビリビリ」「チクチク」「ズキズキ」など様々です。
身体を動かしたときによく痛みます。

坐骨神経痛の原因で1番多いのは「腰椎椎間板ヘルニア」です。
椎間板から飛び出した「髄核」が坐骨神経の神経根に触れ、腰を動かすたびに刺激を受けて強い痛みを生じます。

腰椎椎間板ヘルニアの他には、変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などが原因の場合もあります。こちらの症状は中高年層から発症しやすくなります。また、スポーツ活動や外傷などで起こる梨状筋症候群などもあります。

坐骨神経痛の第1の原因、腰椎椎間板ヘルニアとは?

椎間板とは背骨と背骨の間にある繊維状の軟骨で、外側は硬い物質で「線維輪(せんいりん)」と言い、中央部は軟らかいゼリー状の「髄核(ずいかく)」と言うもので構成されています。

主に老化や激しい運動等により、椎間板外側の線維輪が変形や断裂を起こして、髄核の一部分が断裂した繊維輪の外へ飛び出してしまうことを「ヘルニア」と言い、この飛び出た髄核が脊髄の神経根を圧迫、刺激することで痛みが生じます。

その結果、その刺激を受けた神経の延長先である腰や臀部そして下肢にかけて、痛みや痺れが起こる「坐骨神経痛」が生じ、感覚や筋力の低下もよく現れたりします。
椎間板ヘルニアは、悪い姿勢での動作や作業が多い場合に発症するリスクが高く、喫煙者もより起こりやすくなります。

因みに、スペインが生んだ天才画家のピカソも持病として坐骨神経痛を患っていましたが、フランスの鍼治療受けて治したのだそうです。
それ以来、鍼灸の愛好家になり晩年まで絵を描き続けたと言うエピソードは、我々の鍼灸業界ではとてもメジャーなお話しです。

【肋間神経痛】

背中〜胸にかけて、左右のどちらかだけに症状が出る場合がほとんどです。よっぽどの原因がない限り、両側に痛みが発生することはまず皆無です。

常時痛みはありますが、突然鋭い痛みが走ったりします。咳やクシャミをしたり深呼吸をしたりなど、肋骨が動くときに痛みが強くなります。

背骨の歪みや椎間板ヘルニア、或いは背骨や肋骨骨折などが原因で、肋骨の間にある肋間神経が刺激を受けてしまい痛みが生じます。

高齢者に起こりやすい骨粗鬆症、細菌・ウイルス感染が原因になることや、内臓疾患などでもで痛みが発症することもあります。

【三叉神経痛】

目の周囲やその奥、おでこやほっぺた等。肋間神経痛と同じく左右のどちらかだけに症状が出る場合がほとんどです。
針で刺されるような、ジクジクした痛み。突然激痛が走ることもあります。特に冷たい風に当たったときや、何らかに刺激を受けたときに痛みが非常に強くなります。

顔面の感覚、例えば皮膚の寒熱や触覚または痛覚を脳に伝える三叉神経が、特に動脈硬化などによって膨張した神経周囲の血管に圧迫され、その刺激が痛みを生じさせると考えられます。

稀ではありますが、脳動脈瘤又は脳腫瘍が原因で発症する場合もあります。しかし、実際には原因不明の場合もよくあり、その多くはストレスや疲労による自律神経の乱れなどが関係しているともいわれています。

【帯状疱疹後神経痛】

これまでに記した三つの神経痛とともに多いのが、「帯状疱疹後神経痛」と言う症状です。

帯状疱疹とは、幼少期に罹った水疱瘡(みずぼうそう)の原因であるヘルペスウイルスが、治った後も神経節の中にずっと潜んでいて、ストレスや疲労困憊などにより免疫力が低下した時などに、ウイルスが再活性化して起こる病気です。

そうすると、そのウイルスに侵された神経根の延長上の皮膚に、赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れ強い痛みを伴います。

これら皮膚の症状や疼痛はしばらくすると治る場合がほとんどです。しかし皮膚症状が長期的だったり高齢者であった場合、神経痛が長く残存することがあり、この症状を「帯状疱疹後神経痛」と言います。

その期間は1ヶ月くらいから長くて半年以上も続く人もいます。もしも帯状疱疹が疑われるような斑点やピリピリとした痛みが出たら、すぐに専門医に診てもらうように心がけてください。

また、帯状疱疹は肋間に沿って現れることが1番多いですが、手足や顔面にも症状が出る場合もあるので注意が必要です。

因みに、『帯状疱疹が胸を一周したら死んでしまう』という言い伝えがありますが、これは完全に迷信ですのでご安心下さい。

【原因不明の特発性神経痛】

神経痛の中には原因が不明である「特発性神経痛」も、症例としては結構少なくありません。先にも述べましたが特発性神経痛とは、画像検査など様々な診察を行っても、原因となる病気や異常状態が見つからない神経痛の事を言います。

その場合、上腕神経痛、後頭神経痛など、痛みとして症状がある場所の末梢神経の名称で病名がつけられます。
三叉神経痛も結構原因が不明な場合が多く、特発性神経痛に分類されことが良くあります。

特発性神経痛になりやすい原因として、冷えやストレスが最も関係しているとされています。様々な検査によって原因がハッキリしている症候性神経痛は、原因疾患そのものに直接治療を施す「根本的治療」を行いながら痛みをとっていきます。

しかし、特発性神経痛の場合は初めから痛みそのものを取り除く「対症療法」が主流となります。大抵、薬物療法が基本で、主に鎮痛剤またはブロック療法などがありますが、我々が行なっている鍼灸治療も、神経痛には充分な効果を発揮します。

この季節、夏場と比べると神経痛を伴う腰痛だとか、背中の痛みを訴え来院される方が多く見られます。やはり身体が冷える事により、症状が悪化するケースが多いです。

暑い時期のエアコンの風や、汗をかいた後の気化熱でも冷えが生じますので、冬の寒い季節以外でも注意が必要です。

因みに、私が若い頃に冷えが原因で、一か月ほど坐骨神経痛に悩んでいたときがありましたが、何とグワム旅行に入った途端に即治りました!おそらく、冷えだけでなくストレスからも解放されたからんでしょうね。

とにかく、持病の腰痛や首の痛みがある方は、さらに寒さ対策は必須ですね。それでも痛みやしびれがひどい場合は、直ぐにでも医療や鍼灸などで対処した方が良いでしょう。

あのピカソもこよなく愛した鍼灸治療です。お困りの方は是非一度、体験してみてはいかがでしょうか?

それでも良くならないときは、グワムかハワイ旅行に行けば、直ぐに完治するかもしれませんね(笑)

以上「神経痛」についてのブログでした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました( ◠‿◠ )

© あさひ鍼灸接骨院